#3 ゲストハウス「街音 matinee」運営 / 豊田彩乃さん⑤

― 2018年に『街音 matinee』がオープンしますよね。3年ほど経ちますが、いかがですか?

豊田
当初は旅館は少しハードルが高いような若い世代が来れる場所になれたらなぁと考えていて、ありがたいことにその通りになりました。大学生や20代の方が来てくれるので「あぁよかったなぁ」と思います。想像していなかったこととしては、移住コーディネーターをやっていたこともあり、移住相談に来てくれる方もいます。

― これからも楽しみですね。

豊田
実はまだまだ物件としても完成していないので、手を入れていき、よりおもしろい場所にしたいなぁと思います。

― どんどん前に進んでいるように見える豊田さんですが、失敗はありますか?

豊田
失敗しそうになったときの軌道修正が早いかもしれないです。自分だけで抱え込まずに、周りにも助けてください、教えてくださいって頼ります。

― 豊田さんの周りにはサポーターがめちゃくちゃいそうです。

豊田
私にできないことができる、すごい人がいっぱいいます。

― 街って意外とそういう人たちと出会えないですよね。きっと『街音 matinee』はそういう場所になっていたんですよね、コロナ前は特に。那須の人が那須の人、あるいは別の地域の人に出会う場所というか。

豊田
そうなんですよ!出会う機会は意外と少ない。

以前、栃木県の酒蔵のお酒をぜーんぶ並べて飲む「日本酒を飲む会」っていうのを『街音 matinee』で一回やったんですけど。

― いいなぁ。(※撮影担当の妻も口をそろえて)

豊田
日本酒というキーワードでみんな集まってくださって。自治会長さんとか、この地域の企業に勤めている普段あまり会えないような方とか。私はそれを見てにやにやしてました(笑)平和だなあって。

― (笑)。いろんな方たちがお酒を飲みながら楽しく話していて。

豊田
ええ。1つのキーワードでいろんな人が繋がっていて。

そのイベントは私が企画したんじゃなくて、いまは南相馬でお酒をつくっているのですが、日本中の酒蔵をめぐっていた方の企画だったんですね。

― 一緒につくったイベントだったと。

豊田
そうです。イベントをする場所を探していたので「ちょっと狭いかもしれないけど一緒にやってみよう」って始まった企画でした。

― それも「ふらっと、深い出会いを。」のひとつのような……。

豊田
一人じゃ難しいことを、一緒にやってみる「場」にはなっているかもしれないです。どうなるか分からないけどやってみようって。コロナが落ち着いたら、またやりたいですね。

― 今日は素敵なお話をありがとうございます。最後に豊田さんの「これから」というか、ぼんやりとでも考えている将来的なことをお聞きしたいです。

豊田
そうですね……。夫が東京で暮らしているので、東京と那須の往復生活をしているんですね。数年はこの感じで過ごしたいです。いまは那須にいることの方が多いけど、将来的にはどうバランスが変わるかは正直なところ分かりません。でも、もし那須から引っ越すときがくるとしても、それで終わりじゃなくて、関係性は続けていきたい。続けていくことの尊さ、みたいなことを最近感じていているので、この場だけでも繋いでいけたら……そう思います。

― なるほどぉ。

豊田
まずは、そのときどきで「いいな」って思うことをやれたらいいなって思います。



(おわり)

取材日:2021年10月20月
インタビュアー・編集:中田 達大
撮影・デザイン:中田 奈緒美

那須の玄関「黒磯駅」から徒歩3分。
「街音 matinee」のHPはコチラ
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