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― ここまでお話を伺ってきて、東京で暮らしたご経験があるために、地元のことを相対的に見られるようになったというのはありそうですね。
伊澤
あると思いますよ。例えば、東京の緑は街なかにあるじゃないですか、あれはあれで整えられていてすごくいいんですよ。「魅せる緑」っていう概念がこっちのほうでもできたら……とか考えるのは、東京で暮らしていた経験も大きいですよね。
― 緑ですか!そういう意識なかったです。
伊澤
僕の趣味の1つが庭いじりなんですよ。家が好きだから、庭をどんどんカスタムするのも好きで。いろんな植物買ってはいろいろやってて。田舎にも綺麗なおうちはあるんですけど、ぼーぼーのところはぼーぼーだし。誰向けにやっているかということなんですね。
この地域でみんなが「魅せる緑」っていうのを考えていくと、それだけでトンマナがどんどん合っていったりして。
― なるほど。
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伊澤
グリーンツーリズムで行くような海外の美しい村って、観光客が少しずつ来るようになって、みんながそれぞれ家の前を綺麗に飾るようになったから美しい村に登録されたのだと思っていて。そういうのもだれかの感性、だれかの意見をきっかけに、街が変わった1つの例じゃないだろうかって。
― 先ほどの「発端」のお話にもつながりますね。
伊澤
はい。結局、村長って言ってますが、名ばかりなので、とにかく僕らから動いて実際に目で見えるものにしていきたいですね。近所の方が通りかかると「いいね、綺麗になってて」って言ってくれることがあるんですよ。そういう風に見てくれる人は見てくれていますし、その人が触発されて「自分の家のお庭も綺麗にしようかな」ってなっていくと、ここの一帯から少しずつ綺麗になっていくかもしれないなって思います。
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― なるほど……!最後に、今後の「吉田村ビレッジ」の展望をお聞きしたいです。
伊澤
基本は村を拡張していくというのが、中長期的なヴィジョンとしてあります。新たに、この地域がさらに楽しくなるコンテンツを入れていきたいし、農業体験の拠点も増やしていきたいです。あと直近では、敷地内の一角にグランピングのエリアをつくりました。目の前が田んぼなので、特に地元の人にとって「田んぼ、意外といいじゃん」という再発見に繋げたいですね。
― 地元の人には当たり前の風景ですもんね。
伊澤
みんなの当たり前が、当たり前をつくっちゃっているんですよね。なので「村をつくろう」ってやつはただの馬鹿にしか思われてないんですけど……自分たちがどういう場所、どんな環境にいるのか、ほんとはすごくいい場所にいることに気づいてほしい。ここが、そのための場所になっていったらいいなぁって思います。
(おわり)
取材日:2021年11月29月
インタビュアー・編集:中田 達大
撮影・デザイン:中田 奈緒美
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