#2 日用市運営スタッフ/大学院生 松本和花子さん①

― 目次 ―


― 今回、和花子さんにお話を聞きたいなぁと思ったのは、和花子さんのように街と関係をむすびながら活動する選択肢が、学生のときの僕には全くと言っていいほど頭になくて(笑)。

松本
ええー、そうですか?

― もうほんとに。このインタビューは和花子さんの関わり方が、当時の僕のような学生の方にとっても1つの選択肢になったらいいなぁと思い、お時間をいただきました。今日はよろしくお願いします。

松本
はい、よろしくお願いします!

インタビューは松本和花子さんのご実家の土間で!

― 早速ですが、いま和花子さんは大学院の修士1年生ですよね。学部時代の卒業研究が地元でもある栃木県・那須塩原の黒磯エリアをテーマにしたものだったとか。

松本
はい。私は都内の大学の社会学部で学んでおり、文化、芸術に加えてコミュニティ、街づくりなどのテーマを扱うゼミに所属しています。卒業研究では、街づくりやコミュニティに興味があり、ここ黒磯の『SHOZO Street』界隈をフィールドワークの対象として選びました。

※『SHOZO Street』(ショウゾウ ストリート)とは?
栃木県・那須の観光スポット。最寄りの黒磯駅から徒歩10分程度の場所にあり、そのストリートにはカフェ、花屋、雑貨屋などが立ちならぶ。30年以上前、この地にできたカフェ『1988 CAFE SHOZO』が起点となって盛り上がりを見せているエリアのため、親しみも込めて『SHOZO Street』と呼ばれる。

― 地元を研究対象にするのは面白いですね。

松本
実は高校生の頃は、地元なのにその界隈に足を踏みいれたことがほぼなかったんです……。高校に通うときは少し離れた駅を使っていましたし、駅から自宅も車で送迎してもらっていたので有名な『1988 CAFE SHOZO』もほぼ行ったことがなかったんですよね。

― 意外ですね。僕は東京から那須塩原に移住したんですが、地元の高校生はみんな行きたがるエリアなのかなって思っていました。

松本
価格帯や質が、当時の私も含め高校生くらいの若者にとってはちょっと背伸びする必要がある場所というイメージがあるんだと思います。「おしゃれなところがあるよ」って黒磯が地元ではない友達には案内するけど、自分が普段使いするのはちょっとハードルが高いかな……という場所でしたね。ほとんど行ったことがなかったので、あのエリアがどうなっているのか全然知らなかったです。

― 外から人がたくさん来る、いわゆる観光地の要素もあるから「自分たちの街」とはちょっと違う感覚。

松本
そうですね。だから逆に、移住してきたいろんな感性を持った方々が、黒磯エリアでお店をつくり、街をつくっているんですよね。

― でもほとんど行ったことなかったエリアに、興味をもったのはなぜだったんですか?

松本
えーと、たしか、大学2年か3年の春夏くらいだったかな……。たまたま黒磯駅前に向かう途中で『SHOZO Street』を通ったんですよ。

― ええ。

松本
そのときに、びっくりしたんです。「人が歩いてる!」って。

― ははは(笑)。この辺は車社会だから、歩いている人をあまり見かけないですよね。

松本
そうそう。「人が歩いてる!」って驚いて。その後に、両脇にリノベーションされたおしゃれなお店が立ち並んでいるのを見て「なんだこれ!」って。

― 久しぶりに来てみたら、いろいろできているぞ、と。

松本
はい。そのときに、仮説ですがこのエリアはコミュニティになっていると思ったんです。例えば「リノベーションへの興味」などを軸に、界隈のみんなが繋がっていて、ひとつのがっちりとしたコミュニティがあるのでは、と。

― さすが、社会学部の学生だ……。

松本
その仮説を検証するかたちで、黒磯エリアを対象とした卒業研究が始まりました。

― なるほど。そういう経緯で卒業研究のテーマが決まったんですね。フィールドワークでは自ら街の人にインタビューするんですか?

松本
はい。最初にインタビューさせていただいたのは『1988 CAFE SHOZO』をつくった菊地省三さんでした。そのインタビューで、早速、私の仮説は修正が必要になり、研究のアプローチを変えることになるのですが。

― え!


(つづきます)

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